Jiyong

空と風と星の詩人 尹東柱(ユンドンジュ)の生涯のJiyongのレビュー・感想・評価

4.0
めちゃくちゃ好き。

ドンジュの思想を描きすぎないところ、日本そのものと大日本帝国陸軍を乖離して描くところ、その恐ろしさをストレートに描かないところ、そのバランスがとても良かった。
監督は、変に韓国に対しても日本に対してもフィルターを持っておらず、人間の個々、最小単位の幸せに目を向けているんだと思う。
東京の大学(立教)でのシーンでは特にそれが見受けられた。
「軍人にあらずんば人にあらず」と知識人が虐げられてきた事実も、韓国人が描く。

全編モノクロだが、故に時に眩しいほどに鮮やかに見えたり、曖昧に見えたり、たまには現代映画のモノクロも良いなあと思った。

尹東柱の詩は、根本にあるキリスト教思想故か、宮沢賢治と似たような雰囲気を感じる。独特の温度の低さを持ちながらも温かみのある詩は、単にあの時代に朝鮮語で詩を書き続けた詩人として評価されるべきものではない。彼は詩人として才覚のある人物である。
だからこそ(彼の命が他の人間より重いと言いたいわけではなく)尹東柱を27歳で獄死させた、腐り切った民族支配の思想、全体主義思想は許されないものだ。

ぜひ日本人にも見てほしい映画。

ジョンミンの日本語めちゃくちゃ良かったな。
発音は可愛らしいんだけど、言葉の意味一つ一つを噛み砕いて消化して喋っている感じがして良かった。ハヌルも勿論、可愛かった。 笑
Jiyong

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