圧倒的な描写に引き込まれやす。
第二次世界大戦中のアフリカ。灼熱の大地に立つ陸軍刑務所内の実態を描く社会派ドラマ。規律という大義名分の元、訓練という名の過酷な重労働を科す刑務所長たちと、囚人たちとを描く。
見事なカメラ・ワークで、囚人たちの恐怖の象徴である丘の圧倒的存在感を表現。砂と石で積み上げられた丘の上で仁王立ちする看守と、疲労困憊の囚人を写すカットから一目瞭然の様に、本作は看守と囚人の関係性を如実に、残酷なまでに見せつける。
奴隷同然の扱いを受ける囚人が強いられる、砂袋を担いで丘を上り下りする反復を、素早いカット割りと囚人の荒々しい息遣いで、観る者の緊迫感を急き立てますね。
罵倒、差別、侮辱、暴力‥‥、あまりにも理不尽な場面の数々。しかし、ある出来事を契機に、主人公たちが人間の尊厳を求め、看守の不正を公表するために立ち上がる展開が良いっす。ただ、ラストシーンはなかなか衝撃的で言葉を失うわ。