シネフィル母ちゃん

歌え! ジャニス★ジョプリンのようにのシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

3.1
ジョンレノンとジャニスジョプリンを崇拝する従兄弟からお金を横領するために、ジャニスジョプリンになりきる奥さんとジョンレノンになりきる売れない役者のお話。
ジョンレノンに扮する彼も主役かと思いきや、めちゃめちゃ脇役扱い。
ジャケットでは十分な存在感を発揮してるのに劇中では存在感薄くて笑ってしまった。

完全なるジャケ借りだったのだが、ジャケットの派手なインパクトとは違って静かで淡々とした映画で、まさにフランス的な内容。
ジャニス・ジョプリンを演じることによって、自分に自信がなくて暗かった女性が自分を見つけていく過程が静か~に描かれていた。
女性なら共感する部分も多くて、じんわり心に沁みてしまった。

映像や雰囲気は終始暗いんだけど、観た後はなぜか前向きになれる不思議な映画。
鬱っぽい女性がジャニス・ジョプリンになりきって歌いあげた時から、彼女の心境の変化が少しずつ出てくるんだけど、映画で1番盛り上がるような部分を派手に描かないところがTHEフランス映画って感じで面白かった。

ただ、この作品はジャニス・ジョプリンやジョンレノンを好きじゃないと観るのは辛いかも。
私はジャニス・ジョプリンをあまり知らないのでこの評価。

ちなみにこの主演女優さんは、この撮影直後に殺人事件に巻き込まれて亡くなってしまったそう。
この作品が遺作になり、彼女もジャニス・ジョプリンのように短命だったんだなぁと思うと切なくなった。