Maiki

ブレードランナー 2049のMaikiのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.5
 〜名作ブレードランナー•正当なる続編〜

 ディストピアを作り上げた伝説の映画『ブレード•ランナー』
世界中に多くのファンが存在する名作だが、多くの伏線や含みを帯びたまま、幕を閉じた為、同時に多くの推測や考察が飛び交った。
 その答えがやっと導き出される。

 【Directing】
 正当なる続編という事で、少しドキドキしながら見始めた。だが「あの世界が崩れていてはどうしよう。。」といった不安は瞬時に取り払われた。

 画面に広がる荒廃した土地や、ネオンと雨が降り続け、日本文化が混じった青混じりのロサンゼルス。それとは対比的にオレンジ一色の荒野。
全てがとても美しく、またブレードランナーらしいシュールな世界が広がっていた。

 それらを作り上げるは撮影監督を務めるロバート•ディーキンス。彼はイギリスで騎士団勲章を授与するほどのやり手であり、それは本作を見れば納得。『1917』ではワンカット(に見える)だけでの戦争映画を作り上げ、その腕前を世の中に知らしめている。

 映画自体は3時間ほどあり、ワンシーンごとの「間」がすごく大事にされている為、とても長く感じるはずなのだが、圧倒的世界観と映像美、またシュールな音楽が、鑑賞者の時間を加速させるのだ。

 1982年には描ききれなかったであろう部分が多々あるのもついにやけてしまうものだ。
ホログラムであるジョイが売春婦であるレプリカントと繋がり、Kとキスするシーンは秀逸。
(ジョジョのスタンドに見えてしまったのは秘密で、、)

 なにより今回は話が分かりやすく、物語の事実開示や展開の仕方も面白い。
 段々と謎が解けていく「子供」の真実には、きっと誰しもが驚き、言葉をなくすであろう。

 【My review】
 ブレードランナーならではの『レプリカント』という概念に対する焦燥感という様な悲しい感情が見ているうちに生まれる。これはゴズリングや他のレプリカントを演じる人達の演技力がありからこそ、押し寄せる感情なのだ。
 心がないはずの人間の姿をした物体。しかし確実にその何処かに潜む『心』の気配。
 しかしそれもプログラミングされたものであるかもしれない可能性や、人間に虐げられ、まるで奴隷の様に扱われる事実。
 それでも愛を求める。それでも心があると信じる気持ち。見ていて胸がしめつけられるのは何故だろうか。
 本当の心を持っているものはレプリカントか、人間か。毎度考えさせられますね、、


 期待以上に楽しませてもらった本作。
ハリソン•フォードがいつまでもかっこいいのは『スターウォーズシリーズ』でも知っていましたが、やはりしみじみ感じますね〜。
 しかしやはりブレードランナー。見ているうちに何が真実か分からなくなってきて頭が一瞬こんがりそうになってしまう。もう一度前作から見直さなければいけませんね。。
Maiki

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