とても考えさせられる、重い映画だった。
考えさせられる、というよりも、答えを与えてくれるわけではなく、多くのUnansweredが残るから、そこに考えを巡らせる必要に迫られるのだろう。
そして人によって解釈が違うのだろうから、観賞後に互いにその解釈を共有する楽しみも生まれる。（マニアが増える！）
テーマとしては、AIに対してイーロン・マスクが警鐘を鳴らしているように、AIが人間を凌駕する、人間のコントロールを超える時代がやってくると何となく感じているからこそ、この映画を空想のことではなく、迫りくる怖さとして深く入り込んでくる。
人間と人造人間レプリカンの境目が限りなく近くなる時にこそ人間の本質が問われる。その本質とは何か？
そしてその本質はきっと人間の拠りどころである”美しいもの”であるはずだ。
でも、それが現代社会の中で無頓着に扱われているのかもしれない。この映画はその警鐘でもある。
前作は観てないのだが、少なくとも基礎知識をインプットしていかないとストーリーの繋がりが理解できず、感情移入が減る。
ひとつひとつの解釈にとても幅があるので（難解とも言える）、映画を観終わってからもYoutubeでレビューを見ながら理解を深めているところ。
多くの点で秀でている映画だと思うのだが、特に音響と映像がとても素晴らしかった。
