MAX048

ブレードランナー 2049のMAX048のネタバレレビュー・内容・結末

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

 大学時代に観て衝撃を受けたブレードランナーの続編が30余年を経て制作されるとは…。前作は人間とレプリカントの関係にフォーカスを当てながら、人間たるものとは何かを問いかけるものだったと解釈している。
この2049でもその視点は変わっていない。監督はヴィルヌーヴに代わったが、リドリーの意向はきちんと受け継がれ、さらに昇華させたとも言えよう。
 とにかく「K」が哀しい。レプリカントであることを受け入れながらも、その出自を探ることになったことから、規範を外れていく。それは悪いことではなく、本当の人間らしさ、アイデンティティを得るための行動だと言えよう。
 人によって人そっくりに作られたレプリカントは、人間たるべく生きるために反乱を起こす。かつて神は人を自分に似せて作ったというが、人間は神の領域に踏み込むことで、神に反乱を起こしているのではないか。
 そして、デッカードもいまだその呪縛から逃れることは出来ず。レイチェルとの関係も実は仕組まれていたのではないかという、恐ろしい囁きをウォレスからもたらされる。レプリカントが自ら繁殖できるように、すべては仕掛けられていた。では、デッカードはやはりレプリカントなのか。その答えはあやふやなままで明らかにはされない。
 デッカードはレイチェルとの娘であるアナと邂逅し、それを見届けた「K」は雪の降りしきる中独り絶命する。雨の中独りで息絶えたロイを思い出さないわけにはいかない。どちらも人間としてのアイデンティティを得るために、その命を賭したのだ。
 非常に重たいテーマではあるが、謎解き的な展開もあり160分という長さを感じさせることはない。またビジュアルエフェクツも素晴らしい。極力CGを使わずにミニチュアワークを重視したと言うことだが、その空気感が、重厚な劇伴と相まって画面に表現されている。
 情報量が多いので何度か観直したいが、初見でこれは傑作と言えるだろう。

他のユーザーの感想・評価

あきふ

あきふの感想・評価

4.8
レプリカントのライアンゴスリングがレイチェルの遺骨を見つけて謎に迫るお話。なんだこの大傑作!本当に続編なのかと疑いたくなるレベルの完成度。前作のラストの謎を解明しつつもさらに物語を深めた脚本は本当に神。魂がないとされるレプリカントのライアンのモヤモヤ演技もとても良かったし、ヴァーチャルな彼女役のアナデアルマスのライアン大好き♡感も素晴らしい!静かに涙を垂らしがちな女レプリカントの女優さんも役にどハマりしてたので、彼女の出演作品もチェックしてみようと思いました。ジャレットレトーの出演シーンは結構少なめだしすごい謎めいていた。続編あるのかね。ハリソンフォードはポスターに超でかく描かれているわりに出演時間は後半の45分程度!笑 落ち着きはらって悟っているデッカード刑事最高。映像は暗い場面が多めだけどSFらしくバリバリにCGを使いまくり異常なほどの映像美。ネオンな光や影の使い方が相変わらずカッコイイ!日本語も前作よりたくさんあった気がする笑 3Dもかなり良い出来でした。音響はやりすぎレベルの重低音。IMAXで観たからか内臓まで響いてくる重苦しい大音響に超満足!ストーリーは前作よりも深くなりより哲学的に(あんまり書くとネタバレになってしまうのであまり述べませんがとりあえずはやく劇場へGO!)。ここまで良くできた続編は久しぶり。第3弾も希望!IMAX3Dでの鑑賞を激推しします。いまのところ今年で1、2位を争うレベルの傑作。ありがとう監督!!
JNkt

JNktの感想・評価

3.7
前作の物語のぼやけた線を力強いタッチでなぞって補強したような、よく考えられていてスマートな続編でした。
でも、ぼやけたままのほうがいいこともあるよね。
絵画的で洗練された美しいシーンが多く、実在する場所のような感じがしないのがちょっと残念。
xia

xiaの感想・評価

4.5
生殖が可能なレプリカントが存在することが明らかになり、レプリカントから生まれたはずの子供を巡って捜査官、レプリカント、ウォレス社の闘いが幕を開ける。
ヴィルヌーブ監督特有の重厚で暗い作風がブレードランナーの世界とマッチし、非常に良い世界観を描き出している。
話が長い割に展開は緩めで、ワンシーンごとに時間をかけている印象。
続編ではあるが第1作を現代の映画に焼き直したような作品で、ストーリーはほどほどに世界観を楽しむのが良い。
Nei

Neiの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2時間43分とは思えない。
劇場で途中、年配の方々がちらほら席を外されるのが目立って、漸く「あ、長いんだ」と思い至りました。
考える事が多過ぎて、時間が逆に足りません。

何回も繰り返し見ていると、ジョイとKの恋愛が酷く切ない。
両方とも種類は違っても紛い物で、それでも人間を模倣してぎこちない生活を営んでいる。バージョンアップで漸く自由に動けるジョイを手に入れたと思ったら、着信でフリーズした彼女を見るKの表情が辛い。

(コヴェナントとかで出てきた巨人に似た剥製(?)が関係あるかどうか気になって仕方がないです。)


ウ★キを先に見なくて良かった。
完全に起承転結が書いてあります。
Ken

Kenの感想・評価

4.0
進化したブレードランナー空間。数百年後の未来世界に没入できる。全編に渡る美しいが虚無感の漂う都市と修復しようのない廃墟、人間の本能を抑制しつつ、色情を刺激する広告の氾濫。
すごい作品でした。
ま

まの感想・評価

5.0
さいっこうだった!あの繁華街の退廃した感じとか日本っぽさとかが失われてなくて良かったしストーリーもわくわくしたし分かりやすかった!面白かった!!
長すぎるが、なかなかよかった。

ブーンという重低音がよかった。ダンケルク並みの重低音。
幼少期見たブレードランナーの
世界に魅了され、SF大好きに
育った自分。その頃の興奮は
蘇るのか。それとも…
そんな少年のような気持ちで
見たわけだが、そこまでの
興奮は、正直なかった。
エイリアンしかりだが、最近の
リドリーは、人間創造的な
話によってる気がする。
要はあれが何して新たな生命が的な。
この域に達してしまうと
ワクワクという次元ではなくなる。
これは人工知能に対する
リドリーからの警告か?
世界観は相変わらず圧倒的ではあるが。

批評も多いようだが、
若い人も観て損はない。
が、やっぱ重いよなー。
昔小学生の自分でも意味が分からず
ともファーストは楽しめたが、
間違いなくせがれに観せても、
はー?な感じかな(^_^;)

アナ・デ・アルマスのファンにはなった。
ララランドで熱演したゴズリングが
また新たな魅力で熱演しているのは
好感が持てた。かっこいい。
JG

JGの感想・評価

4.5
ストーリー・映像・音楽全てにおいて完璧
な本作。
今回も前作に引き続きダークな雰囲気に
サイバーパンク要素をミックスして
ブレードランナー独特の世界観をしっかり受け継いでいました。

ライアン・ゴズリング演じるKの口数のすくないキャラクターはどこかデッカードに似ていて、時折みせる笑顔や感情的な行動・言動に少し悲しさを感じるところが多々あり声を荒げた時は正直ビビりました。

ブレードランナーの音楽はストーリーと登場人物と同じくらい重要性と存在感があり
セリフ以上に観ている人に訴えかけている何かがあり、前作と今作とで共通してあったと思います。

傑作とはまさにこのこと。
何年経っても何回みても感動することは間違いないと思います。
前作にも敬意を払いつつ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』風なあの低音な音響と淡いモヤがかった世界観を見ることが出来てうっとり(☆ω☆)

ゴズリングの、アイデンティティーについての葛藤、そして行動にウルウル(;_;)❄

アナ・デ・アルマスの人工知能の純粋さ、そして魅惑に萌えェーー😻

ジャレッド・レトのミステリアス感に、カッケー(★∀★)

そして、ハリソン・フォード登場に、『よッ!待ってました( 」≧∀≦)」』感ッ✨

今回は、細かい所で前作を意識してダブらせているシーンも何ヵ所かありましたね~!それ以外にも、より聖書的だったり、その他の映画の良い所を詰め合わせたような印象でした。

人工知能ジョイの演出では、スパイク・ジョーンズ監督の『her/世界でひとつの彼女』を思わせるシーンがあったり、核となる話の演出とかは、『ダ・ヴィンチ・コード』を彷彿させたりと、観ていてなんか他の映画も観ているような、懐かしい気分にもなりましたッ💡

そして、ゴズリングはニコラス・ウィンディング・レフン監督の作品時みたく、今回もネオンライトに照らされてるッ🔦(笑)

個人的に面白かったのは、同じリドリー・スコット製作ものでも『エイリアン: コヴェナント』と、アレがアレを作れるか作れないかで対照的な演出をされている所でしたッ!!
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