成川ジロー

ブレードランナー 2049の成川ジローのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.3
予想外に凄い良かった。
予想外と言うかこの映画の物語は本筋じゃないじゃないと言うか。デッカードとレプリカントと人類の未来のお話、レプリカントは何故生まれたのか?人類は何故生まれたのか?そもそも人間とは?みたいなテーマの話がデカイメイン筋にあるんだけど、この映画の主人公のKはそこの本筋にはあまり絡まない。いわば脇役の一人。
お話の本筋から離れた位置の話でデッカードも中々姿を表さないので、こんなのブレードランナーじゃない、違うって人もいるんじゃないかと思うんですが、自分は役割を与えられた名も無き記号のKが損得を超えた利他的な行動を通して魂を得て人間に成る話だと受け取って、こういうの大好物なので、大いに楽しめた。
そもそも前作にそこまで思い入れが無い。世界観とラストは好きだけど、アクションとか微妙過ぎるとまで思ってたし。
主人公が記号ならばヒロインだって販売されてるAIだ(ただし学習機能付きで個性も出てくるタイプで、おそらく人間の認識をもはや超えた感情プログラムであるっぽいから、個人的にはもはや人間って言っても良いとは思う。そもそも神様視点からみたら人間も数字で表せるプログラムに見えるだろうしね)。主人公も、ヒロインも、量産型。これが本当に良い。こういうの好きな人にはたまらないと思う。
それをハードで硬質なブレードランナーの世界観で見せてくれるから、痺れてしまう。
同人作品という人がいるかもしれないけど、自分はこれ大好きです。前作のロイのラストとKのラストの対比も凄い良い。
地味に銃声が良かったな重く腹に残る。二連射するのが素敵。

広大な世界、デカさの対比構図、ラストカットなど大きなスクリーンで見て上がる演出も沢山あるので是非映画館で。

それにしてもバティスタ普通に良い役者になったなー。HHHにバティスタボム喰らわしてた全盛期から見てるけど、ここまで役者として成功するとは思わなかった。ザ・ロックは大成功を予想できたけど、バティスタは予想外。

JOIが出たら絶対に買います笑
成川ジロー

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