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ブレードランナー 2049のMARUKOのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.4
超高品質!ドゥニヴィルヌーヴ監督は期待を裏切らない。音と映像と世界観。どれも新鮮で丁寧で、一瞬一瞬がとてもきれいだった。

はっきり言うと長い。長いんだけど、それを忘れさせるほど、映像と音、撮影のレベルがずば抜けてた。
赤、青、白、黒…そのシーンのテーマ色みたいなものが合って、切り替わるたびにイメージが変わる。目が冴えるように鮮やか。
水や光、煙を巧みに使った撮影もまたとっても美しい。
ウーファーバチバチに響く不協和音。効果的なハンスジマーの音楽。
もう最高。IMAXでその素晴らしさを全身で浴び尽くしてきた。

世界に人造人間が完全に浸透している、そんな世界観が作り込まれていてちゃんと入り込めた。
最近はaiの進歩で人間越えが唱われ始めているが、今作では人間より人間らしく生きたい人造人間の人権、自我みたいなものだったり、新たな“人種差別”が起こっている点が興味深かった。

触れられそうで、触れられない。

前作未観賞だけど、それでも楽しめるストーリー。
正直、始めから人間過ぎないかとも思った。その他、人造人間もまんま人間。(それがブレラン!と言われたら…)
でも、人間とレプリカントの境を曖昧にすることで、近く訪れそうな将来への危惧みたいなものも感じる。

ある映画の第二弾!ってすべりがちだけど、そんな中でこの完成度。
ずっと興味深くて、すごく刺激的な映像体験だった。ヴィルヌーヴ監督の作品はどれも重厚で、ほんとに好き。
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