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ブレードランナー 2049のmahのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.6
レビューを書く前にもう少し噛みしめたい。でも忘れていきたくないので書き留めておきます。

前作から30年後、2049年のカリフォルニア。
環境破壊が進み、人間に変わる労働力としてレプリカントが人間社会に組み込まれている。
レプリカントでありロサンゼルス市警のKD6-3.7、通称K(ライアン・ゴズリング)は、タイレル社が製造したネクサス8型レプリカントの「解任」を行うブレードランナー。逃亡したレプリカントを見つけ、解任へ向かうところから始まる。


なんとも美しく切ない物語でした。
つい先日前作を始めて観た私がこんなに胸を打たれるのだから、往年のファンたちはどんな気持ちなのだろう。

すべての文化に大きな貢献をしてきた作品の続編へのプレッシャーはさぞ大きかったと思いますが、監督の丁寧な紡ぎ方に感動しました。
丁寧に、最大限の敬意を払って作られている、正に"続編"。
リドリー・スコットと打ち合わせや話し合いを重ねたとデゥニ・ヴィルヌーヴ監督が仰ってましたが、全てにおいて前作へのリスペクトを感じ、圧倒されました。

ブレードランナーの世界がそこにはしっかりと構築されていて、全てが"前作の未来"。作中で出てくるガジェットや街は、今私たちが生活している世界からの未来ではなく『ブレードランナー』の未来でしかなかった。
オマージュシーンもふんだんに盛り込まれていて、前作見ないといきなり本作は結構厳しいなあと思います。

目に入る映像すべてがとにかく美しかったです。
荒廃し、崩れてゆく未来の中に溢れる光が愛おしくて儚くてたまらない。

ライアン・ゴズリング素晴らしかったです。寡黙な男が良く似合う。
キャスティングの際、ライアンに即決だったそうですが「眉一つで表現ができる」と評価していたそうです。
『ドライヴ』もそうでしたが、話さなくても感情の100%がこちらに伝わってくる。彼なりの感情が所作のすべてに表現されていて、胸が詰まりました。


誰もが特別でありたい。それは人間もレプリカントも同じ。
ジョイの「あなたは特別よ」がとても響きます。

本当に前作を観た時に思いましたが、思考が無限回廊になる。
考えてしまうことをやめたいぐらい言葉が出てこない。言葉にすると矛盾してしまうような気がして勿体ないような何というか・・・・。と、昨日から無限にこれをやってます。

数点不明点があったのでもう一度観てちゃんと理解したい。

名作を知ることができる機会を与えていただき、その続編まで観れる現在に最大限の感謝。
mah

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