衰退し続ける宇宙。科学もそれに反し進化し続けているようだが、その速度に追いつけていない。未来の見えない退廃的で虚無な世界。人で穢れた混沌とした街の中を不確かな者や不確かな夢が交錯し物哀しくシンクロしていく。(デッカードの登場する放射能汚染地域辺りから微妙なズレを感じるが、それはこの世界からすれば些細な出来事にすぎない )やがて、それまでずっとこの世界を覆っていたブラックホールに吸い込まれていくかの様に聞こえる地球のうめき声も消え去り、賛美歌にも似た調べに包まれていく。全てを浄化してくれそうな、雪にも見える何か白いものに包まれながら…
全ての思いも…
時と共に消える。
雨の中の涙のように…
