チィ

ブレードランナー 2049のチィのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
3.8
前作が「人間だと思っていた私は、人間ではないのか?」がテーマだったことに対して、今作は「人間ではない僕は、人間なのか?」を問う心理状態、展開がたまらなくて。ライアン・ゴズリングの虚ろな瞳に吸い寄せられ、観客自身も疑心暗鬼に陥る。
そして不安を助長させるヨハン…ではなくまさかのハンス・ジマー!ドゥニ・ヴィルヌーヴは拘りは強いけど、作品の為なら意外と柔軟性があるのかと思わせるスタッフチョイスだった。恐らく皆ブレードランナーのファンであり、憧れて、童心に帰り本作を製作したのでは?と、私は思ってる。それなら一流スタッフとキャストによる素晴らしい夢物語であり、列記とした続編になれたのでは?

ただリドリー・スコットのインパクトが強すぎて、本作の監督がドゥニさんと認識されてないことが多くて(職場で「なんで見たの?」と何人か上司に聞かれた)、リドリー・スコットが如何に偉大な存在だったのかを痛感した。

退廃の世が妙に哀愁が漂い且つリアリティがあるような気がして夢見心地になるあの世界観を暫く忘れられない…。
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