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ブレードランナー 2049のtagomagoのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.2
キャスティングの勝利だと思います。特にKにゴズリングを起用したことは最大の成功で誰がキャスティングしたかは分かりませんがその慧眼には感服します。
あの哀愁とどこかこの世界から浮遊してる感じは十八番といっていいでしょう。叶わぬ恋、孤独、ある使命のため命をかける。「ドライヴ」を思い出しました。スモッグの中からビシッときまったコートで現れるゴズリングのカッコよさときたらね。たまらん。ゴズリングの佇まいだけでハードボイルドを感じます。

空間を広く使った画づくりは洗練されてて好き。ドーンと巨大な建造物があったり猥雑な都市も全てにおいてビジュアル面は完璧。奇界遺産巡りをしているようで圧倒されました。撮影はロジャー・ディーキンス。「スカイフォール」のように画の中心にぽつんと人が立つ。黒のライティングも際立つ。これをテンポ良く見せるとなると何かが失われそうなので長くなったのは仕方ない。

しかし冗長。必要な長さだと思いつつも座り心地は悪かった。デッカードが出てきた辺りからどんどんそれを感じるようになってしまい映画のテンション的にも普通のSFに収束してしまったような気がする。Kとジョイの逃避行ノワールものとして見ていればどんなによかったかと思う。その裏に常にブレードランナーの続編という影がちらつく。

各方面の期待に応えようとしたヴィルヌーヴの頑張り。リドリー・スコットや旧スタッフからの要望にも応えようとしたヴィルヌーヴの頑張り。偉い。Kもデッカードも自分の信じてることが揺らぐ。監督の過去作、特に「灼熱の魂」を思い出す。

情報量が多いから言いたいことは多い。
ウォレスよ、お前はベラベラと何を言ってるんだとは思ったし、それりゃあジョイちゃんはかわいいけど娼婦役のマッケンジー・デイヴィスも好き。などなど。

ジワジワと効いてくる。Kの物語として100点とは思いました。