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ブレードランナー 2049のharu3uのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.5
舞台は2049年のカリフォルニア。レプリカント(人造人間)を追う捜査官:ブレードランナーの “K”は、レプリカントと人間の境界線を危うくする重大な秘密を知る。世界の秩序を守るため、Kは、30年前に行方不明となったブレードランナーのデッカードを捜すことに。

カルト的人気を誇る『ブレードランナー』の続編。35年の重圧を見事に昇華させたと思います。P・K・ディックの精神と前作の世界観を承継しつつ、ヴィルヌーヴ監督の叙情性が加わって、圧倒的な映像美とそれをゆったりと魅せるカメラワークに酔いしれました。
個人的にはもう少しテンポの速い映画が好みだけど、『ブレードランナー』はこれでいいかな。SF映画と聞いて期待する派手さはありませんが、アートであり、哲学であり、静かに熱く染みる美しい作品でした。

自分を自分たらしめる過去の記憶も信用できない中、アイデンティティを求めもがくレプリカントの“K”。彼の上昇下降する感情に思いっきり同調してしまってずっと苦しかったです。誰だって自分が特別な存在だと信じたいよ、これってとても人間的な感情に思えます。
デジタルの彼女ジョイとのラブストーリーも良かったですね。彼女めちゃくちゃ可愛い! 当時の美貌そのままに登場したレイチェル(肩パットが気になって笑)と比較しても、今昔ヒロイン全く違うタイプで魅力的でした。

しかしジョイがKに付けたありふれた名前や、励ましの言葉がいちいち空虚に響くもんだから。巨大なホログラムと対峙したときのKの、全てを理解したかのような表情が胸を打ちます。
どうか、Kの最期が心安らでありますようにと願わずにはいられない。本作が『ブレードランナー』の続編でなかったとしても、きっと心に残る大切な作品になりました。