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ブレードランナー 2049のrodemのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.8
予想をはるかに超える映像の再現力に圧倒されました
ドゥニ・ヴィルヌーヴが見事に前作の世界観を損なうことなく引き継ぎ
更に作中の経過した時間を上手く反映させていたと思います
カット一つ一つが丁寧に造りこまれていて
荒廃的でありながら美しい映像に仕上がっていました
ストーリーも後付続編とは思えない完成度で
前作までも更なる高みに昇華させた感じさえ持ってしまいました

そして本作もまたあの疑問
「デッカードはレプリカントなのか?」
に尽きるのではないでしょうか
前作同様本作でもデッカードは弱いです何度も死にそうになります
個人的にはこの弱さは人間である証にようにも思えます
これに対しKを初めとしたレプリカントたちは対照的に強く支配的に描かれています
しかし逆に言えばデッカードは他のレプリカントが持ち合わせていなかった
弱さと言う人間らしさを持っていたからあの「奇跡」を起こせたのかもしれません

作中のKとデッカードが酒をかわすシーンで
Kがデッカードの飼う犬を見て「本物か?」と聞くのですが
デッカードは皮肉っぽく「聞いて見ればいい」と返します
なんだか観客に向けられているような気がしてゾクッと来ました

デッカード本人に直接聞いてみたい気がしますが
本当はそんなことナンセンスなのかもしれませんね・・・
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