煙草3本

ブレードランナー 2049の煙草3本のレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.0
切なすぎる静謐に包まれたSFノワールの超大作です。僕は本当にブレードランナーの空気感が好きで、なんというか、あまり思い出せないけど、何となく心地よくて、涙がでそうな夢ってあるじゃないですか?旧ブレードランナーは本当に夢そのものだったのですが、今作も実に静かで、冷たく、そして美しすぎる夢でした。静かで、寂しくて、煌びやかで、儚い。電影が踊る街の情景や、エキゾチックなネオン(漢字やカタカナに魅了されすぎだろ)を反射してきらめく濡れた路面。古代エジプトの遺跡のような、均整のとれた建築も見事です。ブレードランナー色が今作でも丁寧に、裏切ることなく、照り映えてました。
シナリオはなかなか解釈しがいのある、また、解釈の余地がある素晴らしいもので、何度見返しても飽きなそうです。
そして、なによりも、多種多様な未来描写が魅力的であること!人の想像力は実にたくましいものです!!なんて素敵なんでしょう。データだけでも何種類の媒体が登場したでしょうか。他にも、身体を持たない魂(家庭用ホログラムAI、JOI)。触れられない愛の切なさったらない。またホログラム・ジュークボックス。99.9%除菌された噴出型シャワー。タンパク源として培養されたワーム。レプリカントの眼球には型番が記されている。ほんでやっぱり、レプリカントの心を癒すため(製品としての安定性を高めるため)に過去の記憶を想像する職人。ここは個人的にハイライトです。ガチ泣きしました。
ギャスパー・ノエ監督の「エンター・ザ・ボイド」という作品がありまして、セックスとドラッグをフィーチャーした所謂トリップムービーなのですが、僕はこのブレードランナー2049もその類だと思います。長いんです。作品自体。2時間44分にわたる退廃的な未来の旅を終えたあとは、なんとも表現しがたい疲労と心地よさがあると思います。まだ鑑賞なさってない方がいらしたら、是非今日の帰りにでもDVDを借りに、もしくは購入しに足を運んでください。