紅孔雀

ブレードランナー 2049の紅孔雀のレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.0
ハリソン・フォードが出てくるまでは、SF映画史を塗り替える傑作!と思ってたんですがねぇ。なんだか急に流れが滞り、理屈っぽくなっちゃうんですよね(ハリソン・ファンの方、ごめんなさい。彼のせい、と言うより無理に結末をつけようとした構成上の問題だと思います)。
ただそこまでは、主人公Kの自らのルーツ探しが『エンゼル・ハート』のスリルを感じさせ、赤い砂漠の街に林立する巨像が『ネバーエンディング・ストーリー』の門柱を想起させたり、とさすがドゥニ監督と思わせる映像表現でした。加えてデッカードの「時に誰かを愛するには他人でいた方がいい」といった名台詞も飛び出し、音楽、美術とも合わせ、細部は満点に近い出来でありマス。加えて、冒頭の燃える家のシーンが、タルコフスキー『サクリファイス』へのオマージュと知って、それも嬉しい驚きでした(滝和也さん、教えて頂きありがとうございます)。
と言うわけで、フランスの作家ルナールが「蛇」を表現した一節を本作に捧げたいと思いますーー曰く「長過ぎる!」
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