あーなるほど!前作はそれほどハマらなかったけど、これは面白い!SFの楽しみ方が分かった気がした。
ストーリーの大筋は簡潔なのに、やたらと1つのシーンが長くてイライラする。でもそれを補う映像のオシャレさ。
とにかく世界観の作り込みようがすごい。ストーリーを追うためというより、映像や世界設定を楽しむための尺の長さなんだなあと思った。
普通はストーリーがメインで、映像や世界設定がアクセントになるじゃん。でもこの映画は真逆になんよなあ。パクチー山盛りで麺が見えないフォーみたいな。
リドリースコットとドゥニヴィルヌーヴ。惹き込まれる世界観・映像作りの天才が2人で作ってんだからそりゃすごいよな。
タレイル社の遺跡みたいな作りがまずめっちゃくちゃカッコいいし、巨大なハイヒールが闊歩する廃墟とかサイコーに絵になる。前作に引き続き、アジアンなテイストを入り混ぜたサイバーパンク感も健在。
とにかく終始映像と世界観に「カッケェ〜」と痺れた。きっと前作をリアルタイムで観た人にとっても、全ての映像、カット、ファッションに痺れさせるものがあったんだろうな。
僕が前作を見たのは最近だから、もうあの世界は僕らにとって未来でもなんでもないんよな。だからドキドキせんかったのかもしれない。
逆に今作にこれほどドキドキしたのは、ほぼリアルタイムで見れたからなのか。SFのファッション性、未来へのドキドキ感っていうのは賞味期限が短いのかも。
ストーリーで言えば、デッカードがレプリカントかどうかが明言されなかったのが良かった。あとよくある「あなたは特別な存在…!」→「弱いものを助けて革命だー!」→「悪いやつ倒して一件落着!」みたいな流れにならないのも大人な終わり方で好き。
「特別な存在に憧れた挙句、自分の没個性を知って嘆く」ってこれ以上人間味のある行為はないと思うんよなあ。シブい。