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ワンダーストラックのodyssのレビュー・感想・評価

ワンダーストラック(2017年製作の映画)
3.5
【家族物語と博物館】

予想していたのとは少し違う映画でした。
もう少しミステリアスなのかと思っていたけれど、案外理詰め。
でも、悪くはない。

一方に1977年のアメリカ。母子家庭で育った少年が母の事故死をきっかけに父探しの旅に出る。これ、ある意味、典型的な設定ですよね。

この映画がしかし並の父探し物語と異なるのは、半世紀前の1927年が並行して語られているから。こちらは離婚した夫婦の娘が、最終的には・・・という物語。こちらは時代に合わせたのか、モノクロ画面。

1927年のほうは映画が絡んでいるのも面白い。少女も映画館に入りますが、サイレントで、その代わりオルガンを演奏する人が雇用されている。サイレント映画でヴァイオリンなどの楽士を雇うのは知っていましたが、オルガンの場合もあったことを初めて知りました。
しかし少女が映画館を出ると、トーキー映画が導入されるという宣伝がなされています。1920年代はちょうどサイレントがトーキーに移るあたりだったんですね。

あと、この映画の見どころは博物館。残念ながら私は博物館好きじゃないんですけど、そちらの方面に趣味がある人にはお薦め。

俳優では、ジュリアン・ムーアの二役が良かったかな。

でも、主役の少年と少女が可愛くないのが欠点。もう少し可愛い子役、いなかったんですか?
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