安堵霊タラコフスキー

ワンダーストラックの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ワンダーストラック(2017年製作の映画)
3.8
見ようか迷っていたこのトッド・ヘインズの新作、デヴィッド・ボウイが好きなら見た方が良いという言葉を聞いて騙されたと思って見てみることとしたが、デヴィッド・ボウイ云々に関してはちょっと騙された気分になったものの映画の出来としては悪いものではなかった。

70年代と20年代で描写が行ったり来たりして、20年代の少女の正体とか非常にわかりやすいものだったりどちらの年代でも撮り方も演出も全然当時の映画っぽくないからその時代の真似を一生懸命しているようにしか思えなかったりと色々問題はあったけれども、このご時世に台詞を控えめにした表現でサイレント風映画を撮ろうとする意気は良かった。

しかし鑑賞後に気になって調べたら、いつの間にかミシェル・ウィリアムズが40近い年齢になっててジュリアン・ムーアが50代後半になっていたという事実には愕然とする他無かったけど、時が経つのは本当に早い。

あとデヴィッド・ボウイはミシェル・ウィリアムズがspace oddityを聴いていたというだけだったのだけど、一風変わった合唱版をエンドロールでも流していたところから考えるに、デヴィッド・ボウイをモデルにした人物の映画を撮っただけあって追悼を意味を込めて使ったのだろう。