前作はディズニーのアニメーション映画『眠れる森の美女』のリメイク的な作品であったが、本作はその続きである新しいストーリー。オーロラ姫とフィリップス王子の結婚式の裏に隠された恐ろしい陰謀を描く。
美しいデザインとまるでアトラクションの様な映像にて非常に見栄えは良い。そして物語は人間と妖精の2国間の争いと和平という非常に難しい題材を描く。それは人種や文化、信仰の違いといった多様性を含みつつ、今の世界情勢においても永遠のテーマである。だからこそ、物語の発端である戦争の開始までの展開は非常にリアルであるのに対し、戦争の終焉に関しては違和感を感じざるを得ない。
人間達も妖精達も多くの死者という多大な犠牲を出している中、和平に繋げる展開としては理由づけがまだまだ不十分である。なぜならば、戦争とは基本的にはどちらかが勝たねば終わらないのである。妖精達は人間からの迫害を長年受け続けておりその溜まった憎悪はそう簡単には収まらない。戦争の途中で平和に決着をつけるのは非現実的であり、それこそおとぎ話である。その違和感により、多様性を描く本作であるにも関わらず、悲しくも平和の難しさを知る事になる。
