グラッデン

カフェ・ソサエティのグラッデンのレビュー・感想・評価

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)
3.8
ウディ・アレン監督の最新作。フィルモグラフィを振り返ると、80歳を超えてもなお、年1本ペースで作品を世に出し続けております。年齢を全く感じさせない作品作りに対する精力的な姿勢は素晴らしいと思うとともに、リスペクトの念を込めて劇場に足を運んでおります。

本作の舞台は1930年代のハリウッドとニューヨーク。1930年代といえば、『ミッドナイト・イン・パリ』や『マジックインムーンライト』の舞台となった時代でもあります。
両作品を鑑賞したときに感じた、どこか優雅な時代の空気と登場人物たちのドタバタさ加減の融合が本作にも感じ取れたと思います。素人目に見ても、衣装等のディティールも突き詰められており、スクリーンに展開される強度の高さも流石といったところ。

また、ハリウッドを舞台にした男女の物語としては、大ヒットしている『ラ・ラ・ランド』を意識してしまいますが、ボンクラな主人公と魅力的なヒロインの織り成す、出会いと別れの儚い物語の見せ方は、ウディ・アレン監督作品らしさを随所に感じさせる安定のクオリティでした。

エンディングの余韻を含めて、期待通りの内容。