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カフェ・ソサエティのOtunのレビュー・感想・評価

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)
4.2
初見。ウディアレン作『カフェソサエティ』。
いいなぁ。
ここ最近のウディアレン作で一番好きでした。

物語。ジェシーアイゼンバーグ演じる主人公が故郷であるNYを離れ、ハリウッドに住む大物エージェントの叔父を頼り仕事を紹介してもらうべくやってくる。
そして、そこで働く秘書の女性(クリスティンスチュワート)に恋をするー

この流れだと、最近のウディアレン作とそんなに大差がない。
が、ここからが違う。長い長い人生の物語になっていく。
そして、随所にナレーションが入り、それが神の目線となり、より俯瞰された群像劇に映っていく。
それこそ、一昔前の『ラジオデイズ』や『世界中がアイラブユー』の様に。
そして、群像劇としての印象が強くなることにより、登場人物達が悩んでいる問題や苦悩が、よりおかしく、楽しく、愛らしく見えてくる。

『人生は喜劇だ』。
アイゼンバーグが劇中に語るこの言葉こそ、この作品の肝であり、
また、人々が生きて行く上での希望の様に思えた。
ラスト。
夜明けのセントラルパーク(だよね?)でのシーンは、
観ている誰しもが日常の中で忘却していた、心の奥底に秘めている何かをふにふにと刺激されたりするのではないでしょうか。
私は、された。少なくとも。
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