Emma

カフェ・ソサエティのEmmaのレビュー・感想・評価

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)
4.1
インタビューでの監督のコメント。

「人生を後悔したりするのは、意味がないと思う。誰でも後悔しがちだけどね。『こうしておけば良かった』『間違えた選択をしてしまった。そのせいで人生終わりだ』なんて思っていると、ある種マゾ的な喜びを得たりもするわけだし、自分の失敗にウソをついたり、自己憐憫できたりする。だから人というのは後悔したくなるものだけど、それは避けるにこしたことないんだ」

この言葉の通り、人生の淡く美しくほろ苦い瞬間だけを切り取ったような1本でした。

一言で言えばさしてドラマもなく淡々とボビーの変わりゆく日常を描いている。実際は兄が殺し屋まがいなことをしていたり、結婚するはずの人を身近な人にとられたり、ボビーの人生は相当なドラマに溢れているのですけどね笑。

こういう普通じゃないことを、とことん当たり前のように穏やかにコミカルに軽やかに描けるのは監督の手腕。

それにしても、クリステンスチュワートのフリフリ服の似合わなさ笑!かっこいい顔立ちだし、クールな印象が強いから、ちょっと笑っちゃいましたが、彼女の魅力はなんといってもあの目だな〜。虚ろで、繊細で、魔性的な目がとっても綺麗。お芝居は正直あんまり上手いと思ったことは無いですが、女性陣の美しさがきらびやかな美術や衣装によって、とっても引き出された作品でした。

ただ、個人的にはブレイク・ライブリーが大好きなので、彼女に1票!本作でも母のような(実際彼女はお母さんだし笑)、優しい女神のようなオーラが満点で、すてきでした。だから後半のボビーの脇の甘さには若干、飛び蹴りしたくもなりました。笑

いつまでも、こういう叶わない夢の間に漂っていたい、そんな監督の身勝手だけど甘いロマンも感じる1本でしたね。
Emma

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