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残酷異常虐待物語 元禄女系図のblacknessfallのレビュー・感想・評価

3.5
キング・オブ・エログロの石井輝男さんのこの辺の作品ようやく流通が良くなってよかったよね。

これは観たことなかったから期待値高かった。石井輝男のカラーは濃く出てる。でも、肝心の残酷と虐待が弱いのが無念、、笑
一番力入ってるの異常だけね、異常性愛。
2話目の(オムニバム形式なんす)豪商の娘さんの話。火傷のケロイドが醜い風貌の男に拉致され長期間SMな凌辱受けてから、異形の者との性交渉にしか喜びを感じなくなり、自身の性的魅力と金にあかせて異形の人との濡れ場展開してくんだけど、これがかなりエグい画的も倫理的にも。醜男や体毛が濃い男はまあ、いいとして小人症や黒人までこの異形の文脈で出てくるから倫理方面のオーバードライヴにソワソワする。「そりゃまじぃっすよ」みたいな笑
この話が一番石井輝男さんらしい仕上りだった。

で、弱いとは言ったけどないとは言ってない残酷と虐待。この2つは3話目に集約されてる。
ある藩の殿様の話。こいつがサディズムと性欲が一体化した(虐待=セックス)困った性癖を権力をたてに暴走させまくる。
乗馬中に見かけた村娘に縄をかけて引きずり回して惨殺。
お女中?みたいのを集めて猛り狂った牛の群れをけしかけ逃げまどうさまを見ながら晩酌。
血とサディズムと性慾の権化のような地獄のバカ殿なんだよ笑
彼の残酷な虐待の限りを尽くす行状の数々がショックバリューあってこの話もなかなかいい。で、この地獄のバカ殿演じてるの小池朝雄a.k.a.刑事コロンボなんだよ。
あの飄々として暖かみのあるコロンボ・ボイスで「死にとうなかったら脱げニタリ」とか「もっと苦しむがよいカッカッカッー」みたいな下衆でブルタルなセリフを連発してくるのがこの映画で一番ショッキングなとこだったかも笑

観れてよかったしつまらなくはないけど、イマイチだな、やっぱ。
この系の映画だと徳川女刑罰絵巻牛裂きの刑が一番かな笑
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