たつかわ

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3.8
女性監督ならではの作品

30代後半の仕事人間である娘を父親(ヴィンフリート)は変えたいと思いで、
近づき様々な行動を起こす2時間を大きく超えるコメディ作品です。

父親(ヴィンフリート)は監督自身の父親がベースになっており、
架空の人物やとんでもない状況を創造して芝居をすることがある人で
本作に出てくる小道具も、レストランに行った時にそれを付けて
ウェイターの真似をするユーモアのある人物だそうです。

本作は序盤から終盤まで劇中音がなく、娘があまり表情を変えないで、
長回しで映し続けるのがとても印象的なのだが、
中盤に娘がホイットニーヒューストンの「greatest love of all」という曲を歌う。
たまっていた日頃のストレスが一気に吹き飛ばすように歌うのだが
歌詞、歌いっぷりそしてひっそりと鍵盤を弾く父親が三位一体となって涙を誘う。

本作は女性監督ならではの作品だと思うシーンがいくつかあり、
中盤の男性にとって恐怖のベットシーンがあり、
終盤の日本人では考えられない娘主催の歓待など
これを観るだけでも価値があります。

しかし観ている人によっては子離れできない父親の愛情押し付けとも
取れるし、2時間を超えるコメディーは流石に長すぎると思います

でもおススメです。
たつかわ

たつかわ