こぅ

ありがとう、トニ・エルドマンのこぅのレビュー・感想・評価

4.4
女性監督マーレン・アーデ監督の【父娘愛コメディ
・ドラマ】。

劇中、父が娘に問う「お前は人間か⁈」

妻とは離婚、愛犬に先立たれた父ヴィンフリート
(ペーター・シモニスチェク)は意思疎通がまま
ならず、仕事人間の娘イネス(サンドラ・フラー)
を心配し、ブカレストで働く職場をこっそり覗きに行く事に…。

父のモデルは【監督の実父】なのだが、観る者が
この親父を、行動を受け入れられるか否かで評価
は真っ二つに割れるだろう。

長尺作品なので覚悟をして挑んだのだが、ほぼ、
飽きる事無くのめり込めた。それもほぼ、メイン
2人のキャラの魅力と演技力の賜物だろう。
特筆は言葉少なでも父娘の【表情と間合い】が
絶品だ。娘に怒られ、又はピンチになった時の
親父のキョトンとした表情も面白い。

前半、父娘の関係は一括りするのだが、そこから
脚本は【トニ・エルドマン】なる人物を登場させ
新しい息吹きを与えているのは見事。(トニの
芸は細かい。)インパクトある登場シーンには
ビックリしたし、笑ってしまった。又、そこから
前半までの父娘の立場が逆転⁈なのも面白い。

終盤の2人の共演ライブ、ホイットニーは【感涙】
ものだ。(人間、一回ぶち切れるのは大切。)

クライマックスのパーティのアイデアはインパ
クトあり。

娘の仕事内容は分からなくても父は人生では先輩。
【親バカ】は親にしか出来ない!


2人の距離が縮まったエンディングも微笑ましい。
こぅ

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