なべ

アメリカン・ハニーのなべのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・ハニー(2016年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

京都みなみ会館にお邪魔して、一日限定上映(再上映)を観てきました。
スターの断片を追っていくことで、営業への「慣れ」とともに彼女の成長を感じることができました。運が悪かった生活の中でホタルの光のように輝く彼女の運の良さがラストシーンに集約されているようでした。良く言えばノブレスオブリージュ的な集金で夢を切り開こうとする若者たちの一瞬が、音楽とともに彩られていて胸が熱くなります。音響がすごかったのか振動で足元がぶるぶる揺れてわたしも踊りだしそうになりました。本当に。
そしてクモやモモンガ、イヌをはじめとする動物との関係性が丁寧に描かれており、人を人間ではなく生きるための「ヒト」と表現しているように感じて好感を持ちました!それにしてもクマ(あの大きい動物はおそらくクマ)が出てきた時は本当に驚いてしまいました。クマ......流石に大きすぎる......。なぜ恐れないの......スター......と彼女の度胸を垣間見た場面でした。
ラストシーンで亀を逃したスターが水の中に潜り、キリストの死復活のように生まれ変わるところが印象深かったです。最後にスクリーンに映る動物が人間ではなくホタルであるところも、スピーカーからの音楽で自分たちのテリトリーを示す若者のようで素晴らしかったです。
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