Olivier Assayas監督作初鑑賞。かなり好きな作品になった。
黒沢清作品にも通ずるカメラワークとショット繋ぎで不穏さを構築するのがいい。
クリスチャン・スチュワートの演技も初見だったが自然で役に深みを持たせていてよき。クールビューティーな外見で性別を超越したカッコよさ。
あの表情なのかな? 同じ白人ながら階級により異なる生活スタイルが、Parsonal Shopperという仕事において交わることで持たざる者の不幸と悲壮感を表現。高級な服や宝石を買いに行かせながら、少ない給与の額を再確認してくる金持ちの抜け目なさ。ほんと嫌だな〜。この悲壮感が双子の兄弟を失った喪失感をさらに募らせる効果も担っている。
ホラーにサスペンス、アートも合わさったミックスジャンルなドラマ作品なだけにそれぞれの要素が多少物足りなさを感じるのは否めないが、バランスよく上手くまとめたのは監督の手腕。
言いたいことは割とわかりやすい。途中セリフとして何度か発せられる「残されたものとして人生を生きハッピーになる」ことがテーマ。ラストシーンで心霊現象が死んだ双子の霊が起こしてるのではなく、それに囚われている主人公自身によるものだと気づかせる。それにより過去ををふり切って前向きな人生を送ることを諭す。その時に主人公がカメラ目線になることで、自分自身と向き合えたことを表現。
アート作品になりすぎずエンタメとしても楽しめるバランスも絶品。欲を言えばもう少し長尺で見たかった。