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午後8時の訪問者のTAMUのレビュー・感想・評価

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)
3.9
これ、中井圭さんと松崎ブラザーズBさんのアフタートークがあったんだけど、正に!て感じなことが。

中井さんが「ダルデンヌ兄弟の作品はケンローチ監督作品と似ているところがある」て言って、自分も「それ!自分もそう思った!」のよね。(言われて気付きましたけど(笑))

と言うのも、この映画、女性が殺された事件から始まり、ミステリー仕立てのように見えながらも、それは重要な要素では無いかも。
そこが物足りなくも感じましたが、だからこそ深い感じもしております。

世界におけるEUの立ち位置、もっと言うと世界における先進国の立ち位置、て感じで、実は我々の身近にある移民や貧困、地方の衰退などの諸問題を背景として静かに優しく、鮮やかに切り取ってる。

主人公の女性(ジェニー)は誤りに気付き、自分を見つめ直し、まわりを気づかせて行く存在。今となってはお気に入り、ケンローチ監督の「わたしはダニエルブレイク」のダニエルがイギリスであって欲しいと思った同様、ジェニーがベルギーであり、フランスであって欲しいと強く感じた次第。

そして世界は捨てたもんじゃ無い、と希望が持てる点でよく似ているな、と。

それにしてもEUの地方都市は日本以上に疲弊しているかも。ジェニーさん1人で病院切り盛りしててお手伝いしたくなるしw

更には見終わって色々考えさせられるし、考えてることを少し調べてみようかな、て気にさせる良作だと思いました♪
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