午後8時の訪問者の作品情報・感想・評価

午後8時の訪問者2016年製作の映画)

La fille inconnue/The Unknown Girl

上映日:2017年04月08日

製作国:

上映時間:113分

3.4

あらすじ

診療受付時間をとっくに過ぎた午後8時に鳴ったドアベルに若き女医ジェニーは応じなかった。その翌日、診療所近くで身元不明の少女の遺体が見つかる。それは診療所のモニターに収められた少女だった。少女は誰なのか?なぜ死んだのか?ドアベルを押して何を伝えようとしていたのか? あふれかえる疑問の中、なくなる直前の少女の足取りを探るうちにジェニーは危険に巻き込まれて行く。彼女の名を知ろうと必死で少女のかけらを集…

診療受付時間をとっくに過ぎた午後8時に鳴ったドアベルに若き女医ジェニーは応じなかった。その翌日、診療所近くで身元不明の少女の遺体が見つかる。それは診療所のモニターに収められた少女だった。少女は誰なのか?なぜ死んだのか?ドアベルを押して何を伝えようとしていたのか? あふれかえる疑問の中、なくなる直前の少女の足取りを探るうちにジェニーは危険に巻き込まれて行く。彼女の名を知ろうと必死で少女のかけらを集めるジェニーが見つけ出す意外な死の真相とは――。

「午後8時の訪問者」に投稿された感想・評価

女医として活躍するジェニーは、担当医が病気になったとある街の診療所の手伝いをしていた。診療時間を過ぎた午後8時、診療所で残務をしていたジェニーは鳴ったドアベルに応じなかった。翌日、ベルを押していた少女の遺体が発見される。警察から診療所の防犯カメラの映像提供を求められた彼女は、ベルに応じなかった後悔の念から犠牲者となった彼女の足取りを探り始めるのだが。。「サンドラの週末」のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督によるヒューマンサスペンス。

つい先日感想文を書いた「わたしは、ダニエル・ブレイク」の監督ケン・ローチが、イギリスの低所得者階級を描くヒューマンドラマが多いのに対し、それのフランス版というか、フランス、ベルギーなどを舞台に同じような中層下層の人々のドラマを手がけることが多いのが、本作の監督であるダルデンヌ兄弟監督。2002年の「息子のまなざし」以来、結構な作品を見ていますが、彼らはケン・ローチと違って、社会派のテーマをダイレクトに扱うというよりは、ヒューマンドラマの要素を前面に出して、じっくりとドラマを積み上げることにポイントを置いています。前作「サンドラの週末」もそうでしたが、そうした小さな積み上げがより私たちの日常に近いという感覚を感じることができるのです。

本作は、ダルデンヌ兄弟監督としては珍しいサスペンス要素も盛り込んで入るものの、やはり中心として働くのはドラマの要素。特に、主人公であるジェニーがとことん自分の医者という仕事に対して、貪欲というか、実直までに尽くしていく様というのが観ていて凄くジワジワと感じる感動につながっていると思います。個人的にも医者を職業にしている人との関わりは深いのですが、彼ら彼女らの仕事ぶりでほんとうに頭が下がるなと思うのは、自分の生活を無視とは言わないまでも、かなりの部分を捧げながら、医者という仕事に人生を捧げている人が多いということ。本作のジェニーも、最初は手伝いという身でしかなかった診療所での仕事を、事件を機に自分の本職としてしまうところや、事件だけでなく、診療所を訪れる一人一人に対して顔が見えるケアを行ったり、医学生に対する育成指導にも身を粉にするなど、人として尊敬に値する以上の実直さを魅せてくれます。そんな彼女だからこそ、自らの不意であったベルに応えなかったという行為に対し、とことん後悔をするとともに、周りが引いてしまうほど事件にのめり込んでしまう行動も理解できてしまうのです。単純にワーカーホリックになっている女性という以上に、物語として納得させるまでに描く演出術に、ダルデンヌ兄弟監督の腕を感じれる作品になっていると思います。
n

nの感想・評価

4.0
上質なサスペンス&人間ドラマ。
ドキュメンタリータッチの映像もとても好み。
夜中に観てたら確実に眠りに落ちる映画。
ゆうや

ゆうやの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

診療時間もとうに過ぎた午後8時。小さな診療所で代診をしているジェニーは、研修医を嗜めている最中に鳴った呼び鈴に応じなかったが、その翌日、呼び鈴を鳴らした少女は遺体で発見された。自責の念から内定していた栄転を断り、診療所勤務を続けながら、少女の身元探しを始めるジェニーの「医師としての日常」を淡々と静かに描きながら、少しずつ事件の真相に近づいていく。

時間外とはいえ、診療所の呼び鈴を無視したジェニーは、ビジネスライクな冷たい医師かといえば、決してそんなことはなく、十分に仕事熱心で患者想いであることは冒頭から描かれる。呼び鈴に応じなかったのも、研修医を窘めている最中だったからであり、もっと言えば『患者に寄り添い過ぎて、冷静になれなくなっている』という内容でさえなければ、扉を開けていたんじゃないかと思う。

ひと目で移民の娼婦とわかる少女のことを思い、そんな彼女の帰りを待っている人がいるかもしれないと、自分のキャリアより少女の身元調べを優先するジェニーの決断と行動は馬鹿げているように見えるかもしれない。しかし、それは人間らしくあるための大切な決断であり、ささやかだが踏み出すのには大きな勇気が必要な一歩だ。

ダルデンヌ兄弟には、そういう決断をクライマックスにした作品が多いが、今作ではその決断の先を描いている。警察から少女の身元を教えてもらい、事件の真相も判明したが、ラストでジェニーは意外な人物からの告白を聞く。それは、大切な決断をした彼女だからこそ導き出せた真実であり、そこから生まれた優しさこそが、ジェニーが本当に求めていたものだったのだろう。
始まって2秒で「あ、アメリカ映画じゃない」って気づくくらいの雰囲気(察して)
BGMなくて主人公の心情もよくわからなくて伝えたいこともわからない。
眠くなった
なつき

なつきの感想・評価

2.6

このレビューはネタバレを含みます


話の進まなさ、、飽きてしまう。
love1109

love1109の感想・評価

3.9
ダルデンヌ兄弟は映画の神様に選ばれた二人だ。彼らが描く映画には、人間の感情が溢れ、観る者は、その感情に揺さぶられ、やがて、胸を締めつけられる。良心の呵責からくる誠実さや、人を思いやることで生まれるやさしさ。この映画の主人公のように、私たちを突き動かすものが、憎しみや怒りではなく、そのようなものであって欲しい。
luke

lukeの感想・評価

2.6
国柄なのか見せ方と感情表現が独特。邦画でやって欲しい。
Katongyou

Katongyouの感想・評価

3.4
普通によかったでんですが、なんだか大人しいなぁと感じてしまった。でも最初はどうかと思ったが主人公の女医さんには見習うべき点が沢山あったなぁ。偉い人だ。

このレビューはネタバレを含みます

~償いたいという気持ち~

社会問題を鋭くえぐるダルデンヌ兄弟監督。今回は移民問題を契機としています。彼らは来日インタビューの中で、ジェニーが扉を開けないのは欧州が移民に対して扉を開けないのと同じ、と言っていました。この作品ではここからそのことに対して償いたいと願う人間の存在を描きました。それはそのまま、そうあって欲しいという彼らの希望なのだと思います。

ジェニーは少女に償いたいという気持ちから、大病院での就職を断り診療所を継ぎ、彼女の死の真相を知るべく情報を集め始めます。
診療しながら少女のことを聞くうちに、ジェニーの真剣な思いに患者たちが影響を受け始め、協力し始めるようになります。その結果、知った事実とは……

BGMもなく、終始感情を抑制した演技で、淡々とした印象なのですが、その分見ている側の感覚も研ぎ澄まされて、ハラハラドキドキでした。

そして最後、ジェニーが心の重荷を少し下ろせた時、大きな安堵感を覚えました。
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