奈菜子

愛を綴る女の奈菜子のレビュー・感想・評価

愛を綴る女(2016年製作の映画)
3.4
マリオンコティヤールがちっとも美しくない映画でした。
みていられない痛々しさ。
彼女が演じるガブリエルは欲望に正直で、情緒が不安定。いつも遠くを見つめていて、考えるのは自分のことだけ。一方的に愛した男性を追いかけて裸足で走っていき、なりふり構わず追いすがる彼女に、もうやめてくれと何度思ったことか。
それでいてなお、彼女に観いってしまう一瞬がたくさんあって、マリオンだからこそ観ていられた120分だなと思います。
心から愛されたい、そうでなければ死んでしまいたい。キリストの十字架の前で訴えたガブリエルですが、彼女が実際に溺れていったのはむしろ恋だったのでは、とも思いました。
物語の最後にまるでミステリーの種明かしのような展開が待っています。
解釈は観た人次第。

絶対に愛さないと誓いながらガブリエルを見守り続ける夫ジョゼ役の俳優さんも、
「運命の人」を演じたルイガレルも
本当に素晴らしい演技でした。完全にマリオン目あての鑑賞だったので、嬉しい出会いでした。
奈菜子

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