コリドラス

わたしは、ダニエル・ブレイクのコリドラスのレビュー・感想・評価

4.8
イギリスのニューカッスルを舞台に都市部における貧困、格差を真正面から描いた社会派ヒューマンドラマの傑作!

すごくリアリティありました。ドキュメンタリーかと思うくらい。

本当に困っている人に行き渡らない社会福祉の闇。杓子定規で不親切な役人。デジタル化の名の下についていけない人は切り捨てられる不条理。

日本でも同じようなものだと思いましたね、そういう意味では善良な市民であっても誰でもこうした闇に陥る可能性があることに暗澹たる気持ちになってしまった。

ダニエルとシングルマザー家族との交流がとても暖かくて人間らしくて、余計に役所の無機質な冷たさを際立たせていてほんとに腹立たしかった。

皆が弱者に寄り添う気持ちを持つことの大切さを教えてくれる良作でした。

「私は依頼人でも顧客でもユーザーでもない。
怠け者でもたかり屋でも物乞いでも泥棒でもない。
国民保険番号でもなくエラー音でもない。
きちんと税金を払ってきた。
それを誇りに思っている。
私はダニエル・ブレイク。
人間であって、犬ではない。
当たり前の権利を要求する。
敬意ある態度というものを。
私はダニエル・ブレイク。
1人の市民だ。
それ以上でも以下でもない。」
コリドラス

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