Screen7

わたしは、ダニエル・ブレイクのScreen7のレビュー・感想・評価

4.1
格差社会の深刻さを描いたヒューマンドラマ。"当たり前の権利"が欲しいだけなのに、与えてもらえず、苦しみの中で助け合う人々。融通が利かない国や社会制度への皮肉が強くて、作品全体の温かさや優しさと共に猛烈な怒りも感じた。結局お金持ちに優しい世界なので、この映画で描かれていたような人々がどんなに悲痛な叫びをあげても、国には届かないし、耳を傾けようともしないんだなぁって遣る瀬無い気持ちになった。本気で人と向き合って、変えようという思いが感じられない。
ダニエルの困っている人にはいくらでも手を差し伸べようとしてる姿、ケイティが最終手段に出た時に本気で止めようとしている姿、本当に人のためを思って行動できる人そのもので、彼の姿に胸が熱くなった。ケイティが配給所で泣くシーンが辛かった。ずっと我慢してたものが、プツッと切れてしまった瞬間だよなぁ…。限界を超えてしまうその前に、どうか救いの手を。
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