もの語りたがり屋

わたしは、ダニエル・ブレイクのもの語りたがり屋のレビュー・感想・評価

3.7
居た堪れない現実をハートフルに描く

どこの国も一緒なんだなと…鑑賞日近くでは『護られなかった者たちへ』で日本の生活保護について描かれていたが、イギリスでも同じようにお役所の保身と杓子定規の対応や、制度の狭間で苦しむ人たちがいるという現実を知ることができる。

それが人の生死を左右してしまうのはあってはならないことだし変えていかなければいけない。
ただ政治もこっちを立てればあっちが立たずで、どこかで基準を設けないとそれこそ不公平になってしまう。難しい問題だ。

税金では解決できないことがある。最後の救いになるのは、人と人の支え合いなんだろう。
タイトルの意味が分かったとき胸に突き刺さる。そして最後の手紙に涙する。

(強いて言えばシーン変わりのブラックフェードインアウトが少し長めで気持ちを途切れさせてしまうかもと感じた。)