ノラネコの呑んで観るシネマ

わたしは、ダニエル・ブレイクのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.7
ケン・ローチらしい直球の社会派ドラマ。
病気で仕事が出来なくなったタイトルロールと、幼い2人の子供を抱えたシングルマザーが、社会保障のシステムから理不尽に疎外される。
「本当に必要な人には福祉の手は届かない」とは、どういうことなのかよく分かる。
日本でも役所から手当を切られたとか、生活保護を拒否されたとかはよく聞くが、この映画が本当ならイギリスの状況はもっと酷い様だ。
なんで医者から就労を禁じられてるのに、役所が無理やり就活させるんだ。
役所との面会に遅れると罰則って、なんだそりゃ(o_o)
しかも高齢者や貧困層向けの行政サービスがネットのみって、最初から助ける気無いやん。
私がダニエル爺さんでもキレるわ。
彼は役所に怒ってたけど、実際には役所の人たちも色々辛くて、結局はシステムを作る政治の責任で、同時に政治家を選ぶ自分たちの責任ってことこなんだよなあ。
とりあえず、一番辛いのは情報弱者なのは分かった。
自分の老後を想像しても、人ごととは思えないヘビーな映画だった。
ブログ記事:
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