ぺふ

わたしは、ダニエル・ブレイクのぺふのレビュー・感想・評価

3.9
なんて言うか、救いがない。

いや、ダニエルのアクセントたっぷり皮肉たっぷりの喋りには、荒っぽい言葉遣いからは、本当に彼の優しさ暖かさが伝わってくる。
ケイティと子供達との関係性も、本当に心温まるものを感じる。
生ゴミを廊下に置くな、と口うるさく小言いうけど、隣家の若者とも上手くやってる。
仕事仲間にも本当に心配されてる。
この辺りの助け合う人々の優しさは沁みます。
こういう風に書いていくと結構救いがあるね。

病気で働けないのに手当がおりず、やむなく求職手当をもらうため、無駄な求職活動をする。
ちゃんと面接してくれようとする人もいるのに、それを断わらないといけない。
なんだかんだ文句つけられて手当はでない。
ケイティもフードバンクでの行動が子供のいじめの原因になったり、ちょっと怪しい仕事についちゃったり。そんな姿はダニエルに見られたくないから、つい突き放したことを言っちゃう。
ダニエルもお金が無くて家具を売り払ったり、ちょっと暴れて警察のお世話になってみたり。

みんな真面目に生きてるのになあ。どうして上手くいかないのかしら、と歯痒い。辛くなってくる。

最後に不服申立で光が見えてきたかと思ったら、まさかの展開。

この映画で貧困の現在というものを少しでも知らせたい、考えさせたいって押し付けがましさはない。
ただひたすらに色んな状況を見せてくるんです。その力強さにやられます。
ぺふ

ぺふ