この映画を観ながら、子供が今より小さい時に自分も幾度となくダニエルみたいな人に助けられたことを思い出した。
彼みたいな人にとって目の前の困っている人間に対し、ただ一言「大丈夫?」と声を掛けることは人として当たり前のことで、途方に暮れていた相手がそれで救われることが確かにある。
一方、相手を「人」として見れなくなることは、自分が直接手を下さずともこんなに容易く残酷を招くことができる。
物語は静かに進むが、その分ダニエルのやりきれなさとケイティが感じているみじめさが少しずつ積み重なってやがて大きくなる様がひしひしと伝わってくる。