歩くチブ

わたしは、ダニエル・ブレイクの歩くチブのレビュー・感想・評価

4.3
国の給付制度は困ってる人を助ける為にあるはずなのに、なぜここまで苦しめられなければならないのか、疑問を通り越して怒りすら覚える。

今まで真面目に働いて税金を納めてきた一市民に対してお役所はあまりにも残酷で冷たい。まるで働けない者は死ねと言わんばかりの扱いだ。とても矛盾している。
それに対して、隣人は皆優しく手を差し伸べてくれる。しかしその手を素直にとることは出来ず限界まで追い込まれてしまう。他人に頼ることの難しさがリアルに伝わってくる。

抱きしめ合うシーンが何度か出てくるが、その度に人の体温を感じ思わず泣いてしまった。現実的で残酷な映画だが、温もりにあふれた優しい映画でもある。

わたしは、ダニエル・ブレイク

この映画のタイトルに基づくメッセージ性の強さはそこらへんの社会派ドラマとは一線を画す内容。この映画が国の給付制度や矛盾だらけのお役所仕事を変える一つのきっかけになることを願う。
歩くチブ

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