ズドンとくるラスト。
根が良くて正直な人たちが割を食う、こんな時代に向けてのケンローチの静かな怒り。I, Daniel Blakeで始まるメッセージはこの時代に正々堂々切り込んでいく、命の限り生きようとする一人の真っ当な人間の、魂の限りの叫びだ。
自分がいいならいいのではない、優しさってなんだろう、誰かを想うことって何だろう、一緒にいることって何だろう、一緒に生きていくって何だろう。助け合うって何だろう、一人の人間として誇らしく生きていくことって何だろう、、そんなことをぐるぐると考えさせられる。
尊厳を失ったら終わりだ、彼の叫びに胸が締め付けられていく。
この力強さは何だろう。こんな風に生きていきたいと思う道を、ケンローチはいつも優しく私たちに指し示してくれる。