ISAMooN

わたしは、ダニエル・ブレイクのISAMooNのレビュー・感想・評価

4.1
イギリス、初老の大工の男性は心臓に疾患を抱えて仕事が出来なくなる。
国の援助を受けようとするが、思うようにいかず・・・。

ジャズトランペッターの五十嵐一生氏が、先日facebookに良かったと投稿していたのを思い出し鑑賞。

貧困。
働きたくても働けない状況。
食べることにも困る。
国のセーフティネットが機能しなければホームレスになるしか無く、やがては死が訪れる。

日本も格差と貧困問題が深刻化している。
追い打ちをかけるように新型ウイルスの影響で株安や企業の活動停止、イベント中止、インバウンドの減少、サプライチェーンの問題。
いつ収束するのかまったくわからず、長引けばさらに景気の悪化と企業の倒産が懸念される。
この映画はそこに迫る危機とも言える。

国の政治と官僚は嘘と保身ばかり。
企業経営者ばかりが優遇され、労働者は安く使われ搾取されている。
だが、働けるだけまだましなのか。

この作品は文科省が選定している作品であるが、何か偽善的なものを感じる。
カンヌでパルムドールを取った作品でもある。

映画から学べるのは、最悪の状況も想定しておくこと。
同時に最高の状況もイメージして、それを目指すこと。
備えあれば憂いなし。
そればかりでは参ってしまうが、普段の生活でもある程度の危機感を持ち状況を見極めることが必要である。
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