naoズfirm

わたしは、ダニエル・ブレイクのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

3.8

人間味溢れた人🎬

ストーリーは身寄りのない主人公とシングルマザーが公的援助を求め、複雑な社会保障制度に翻弄されながらも支え合い、苦しい中でも生きる為に社会と戦う姿を描いていました。そして今作は第69回カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞しました。真っ当に生きてきた人・シングルで子育てをする人がこんなにも酷い扱いを受けなければいけないのか、社会保障制度・貧困について考えさせられました。全ての国民のためにあるべき制度が機能していない現実に怒りがこみ上げてきました。今作で特に印象に残ったのがダニエルとケイティが食料の配給を受け取るシーンです。子供たちの為今まで空腹を我慢してきましたが、食べ物を目にした瞬間、人目をはばからず缶詰を開けむさぼる姿は観ていて辛かったです。心ではダメだと恥ずべきだとことだと分かっていても手を止めることはありませんでした。その彼女を見たダニエルが彼女を励ましている姿には感動しました。たとえ自分も辛い状況だとしても忘れていけないのは愛であり人を想う心だと。ダニエルの人間味のある行動、自分よりも他人を想う心は見習うべき点だと思いました。

「わたしは、ダニエル・ブレイク。人間だ、犬ではない」

この言葉には生きにくい社会へ変化を求める想いが込められていると感じました。
naoズfirm

naoズfirm