わたしは、ダニエル・ブレイクの作品情報・感想・評価

「わたしは、ダニエル・ブレイク」に投稿された感想・評価

イギリス爺さんの気概、ガッツ、タフは精神力にあっぱれ‼︎

イギリス現代社会の高齢者に対する冷遇を見事に日常生活レベルで描写した良作。

一本筋の通った頑固オヤジの代表作はイーストウッドのグラン・トリノがありましたが、本作も匹敵する。良かった。

パッケージデザイン以上に骨太で、問題提起がハッキリした素晴らしい作品でした。

⭐️教訓⭐️弱気を助け強きを挫く。それが真の男の心意気‼︎学ばねば‼︎
wakio

wakioの感想・評価

4.8
観賞後は胸を潰されるような思いで一杯になった。
本来弱者を救済し社会復帰への足掛かりとなるはずの福祉の門戸が閉ざされてしまう悲劇は間違いなく実際に起きている出来事であり、こうして私がレビューを書いている間にも明日の生活のことを考えることで精一杯である人は大勢いることは間違いない。
財政再建のために真っ先に切り詰めの対象となりやすい社会福祉への予算であるが、そもそも社会福祉は充実させても緊縮は慎重になるべきだと考える。健康で文化的な最低限度の生活をおくる権利は何処へ。そういった意味では劇中に登場する人物は皆悲劇的である。生活に困窮する主人公たちはもちろん、国策に沿って職務を全うする責務を負う役所の人も「経済」によって道徳性や人間性を脅かされている点では悲劇的だ。
立派に人生を歩んできた中で培われてきた誇りを何度も踏みにじられたダニエル・ブレイクがとった反抗は大衆の総意であるが、一個人の行動である以上風の前の塵に同じ。総意であるにも関わらず回復する兆しの見えない社会情勢と重ねると一層虚しさが募る印象的なシーンだった。

最後のシーンで使われたセリフ、「わたしは、ダニエル・ブレイク。人間であり、犬ではない」。同じ思いを胸にしながら消えていった人がどれほどいるか。ダニエル・ブレイクは福祉政策縮小の犠牲になった人物の象徴として、確かに名前を持っていた数多の人間の代表でもある。そんな彼から発せられたセリフは本来なら存在してはならない強烈なセリフである。
それを甘受し続ける世の中ではあってほしくないと切に感じ、自分なら何が出来るか考えてみたくなりました。
み

みの感想・評価

4.0
社会福祉的な映画だった。
イギリスに寝室税があるということを初めて知った。ハンデを背負い、いわゆる弱者に厳しい世界は悲しいですね
世界人口の3割位の人が「私は,ダニエル・クレイグ」と間違えて憶えてるはず.
正確には「私は,ダニエル・ブレイク」だ.ややこしいな.どうにかしてくれ.
イギリスの片田舎.妻に先立たれた愚直な老人とロンドンを追われた母子家庭.老人は心臓発作で医者から仕事を禁じられ,役所では求職活動をしなきゃ手当はもらえませんよと忠告される.どこの国家でも役人は酷い生き物であるが,イギリスの腐れた制度が問題をより深刻にさせている.「今まで真面目に働いてきてキチンと納税してきたのになぜこんな事になる」と怒るダニエル.そして愚直なダニエルが示した怒りに道行く人々の多くが共感している姿に心がほっこりした.「怒っているのは自分だけではない」と分かったから.
レールから外れる可能性は誰にだってある.実際私だってアルコール依存症になってレールから大きく外れるところだった.そうならなかったのはいくつかの偶然があったから.それだけにすぎない.ダニエルやケイティの姿は「なったかもしれない私」であり「なるかもしれない私」でもあるのだ.そうなった私はダニエルのように尊厳を守って生きていけるだろうか.

このレビューはネタバレを含みます

階級の話 。働きたくても働けない人、貧しい人が国の福祉を受けたくても受けられない現実。目を背けてはいけない課題がたくさんあると感じる映画。
Hachi888

Hachi888の感想・評価

3.8
てっきりジャケットだけ見てたらコメディかな?と思ってたけど、かなり考えさせられるドキュメンタリーのような映画でした🤔

海外のこういうシーンを見ると、やっぱり海外って住むのには大変なんだなって思います💦憧れはあれど、優しくないと思うから💦
やっぱり税金も高いし、保険も通らなそうだし、なにも取り柄がない私だからこそ、この場に立たされたらと思うとかなり辛い💦

それでも立ち向かっていくダニエル達がとても強くて、怒り狂うはずなのに、一旦冷静になってネット頑張ってやったりとか本当に偉い😭😭😭

なのにとことん道ふさがれてしまうのが本当にもどかしかった。
現実。日常。社会。リアル。

最初ダニエルは頑固じじぃかと思ってた。
めちゃ優しい人だった。むしろ素敵なぐらい。
ケイティもやさぐれマザーかと思ってた。
愛情半端ない。最高の母だった。

そんな二人の前に立ちはだかる壁。
機械慣れしてないダニエルがネットに挑戦するものの、仕事はできず、給付金はもらえず、その他申請も通らず、思い通りにはいかず。
金銭的に苦しいケイティは仕事を頑張っているものの、それだけでは貧しい状態から変わらず。フードバンクの缶詰のシーンはつらかった。

「人生は変えられる。隣の誰かを助けるだけで。」とパッケージにもあるが、
それを感じる場面はたくさんあった。
隣部屋の若造たちとの関係とかね。

ダニエルとケイティ。
他人なのに他人じゃない関係。特別。
互いに大きな存在だっただろう。
ケイティの新しい仕事を見に行ったシーンは泣けた。

最後はつらかったけど、彼らが出会ってなかったらもっと厳しい状況になってたんじゃないかな。
大きな事をするとか深い感謝をしなきゃいけないわけじゃない。
ただ少し相手を思うことが大切だ。
みんと

みんとの感想・評価

3.9
切実で身につまされる物語だった。

国家の中にあって庶民とはなんと無力なものなのか思い知らされる。これは決してよその国の話ではない。

型にハマった政策もシステムにもなんの意味もない!二人として同じ境遇の人なんていないのだから…。

全ての人に尊厳がある。

日本で言う「お役所仕事」
全てがお役所仕事の世の中では決して思いやりの気持ちなんて生まれはしない。

勿論線引きは必要だし、なし崩しの規則では収拾不可能になる。
けれどもっと、どこか、何かが、どうにかならないものかと考え、堂々巡りの自分がいた。

この映画が沢山の人の目に触れ、こうしてそれぞれが考える事。きっとそれこそが第一歩なんだと思う。
Masa

Masaの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

【第69回パルムドール受賞作】

原題: I, Daniel Blake
直訳: 私は、ダニエル・ブレイク

ー 人生は変えられる。隣の誰かを助けるだけで。

※注意。ネタバレ中のネタバレです。
なかなかカチッとハマれなかったパルムドール受賞作品群の中でも、今作は本当に観てよかったと思えた。


最後の手紙に全てが詰まっていた。





『私は依頼人でも、顧客でも、ユーザでもない。
怠け者でも、たかり屋でも、
物乞いでも、泥棒でもない。
国民保険番号でもなく、エラー音でもない。
私はダニエル・ブレイクだ。
きちんと税金を払ってきた。
それを誇りに思ってる。
地位の高いものには媚びないが、
隣人には手を貸す。
施しはいらない。
私はダニエル・ブレイクだ。
人間だ。
犬ではない。
当たり前の権利を要求する。
敬意ある対応というものを。』
ibyt

ibytの感想・評価

4.4
市井の人々を見事に描いた素晴らしい映画。
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