デロング

ローサは密告されたのデロングのレビュー・感想・評価

ローサは密告された(2016年製作の映画)
3.9
フィリピン・マニラのスラム街で小さなコンビニを営むローサは、夫と共に4人の子供を育てる肝っ玉母ちゃんです。店の売り上げだけでは生活が苦しいため麻薬の売買も。しかし、誰かの密告によりローサは夫とともに警察に逮捕されてしまう。

ドキュメンタリーと思ってしまう程の圧倒的なリアル感が凄かったです。フィリピンでは5人に1人が貧困と言われている中で、このスラム街で暮らす人達の生活ぶりや、麻薬によって、どれだけ汚染されてしまってるのか。そして、逮捕した警察側も押収した麻薬の横流しや、多額の保釈金要求など組織全体の腐敗ぶりをまざまざと見せられます。

法なんか通用しない社会の中で、麻薬の売買に手を染めなければならない残酷な環境。生きていくために手段を選んでられない厳しさが見ていて辛いです。

今現在、ドゥテルテ大統領が麻薬撲滅のために恐ろしい力技をしてますが、ここまで闇が深いと難しいかもですけど、貧困問題もそうだし、もっと違うところに目を向けないと何も変わらない気がします。(*_*)
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