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ローサは密告されたのskm818のレビュー・感想・評価

ローサは密告された(2016年製作の映画)
3.8
密告で逮捕された薬物売人の夫婦とその子どもたちと警察の話。
冒頭数分もしない間に、フィリピン社会のいい加減さ(小銭がないので釣り銭はなしとか、バックしたくないのでタクシーここで降りてくれとか)、ローサが暮らしている地域の貧しさ、汚らしさ、そしてローサやその夫ネストルの図々しさや図太さやクズっぷりが露わになる。顧客ノートまで作って商売してるんだから、正直逮捕されるのは自業自得というものだろう。
ただそれに輪をかけて警察官がクズ。保釈と引き換えに大金を要求。払えないと言うと仲間を売ることを要求。で、ローサは売人の名前を言う。これって後から報復受ける可能性があるよな。
売人が逮捕されてボコボコにされている。警官はさらにローサたちに金を要求する。ローサは子どもたちに金の工面を頼む。子どもらはそれぞれ親戚に頭を下げたり、テレビを売ったり、売春したりしていくらかを手に入れる(次男を買ってるおっさん、給料全額少年買いにつぎ込むとか…)。でもまだ足りなくて、娘のケータイを質に入れることになる。それでも必要な額には足りない。
どうするのかっちゅー話なんだが、映画はケータイを質入れしにきたついでに団子を貪り食って目をぎらつかせているローサの姿で終わる。このおばさん、釈放されたらまたやる気満々やで… なんかこのまま夫も子どもも捨てて逃げそうな気もするし。
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