チッコーネ

ローサは密告されたのチッコーネのレビュー・感想・評価

ローサは密告された(2016年製作の映画)
3.7
スタジオ撮影は行われておらず、マニラの息吹と庶民の街に蠢く必要悪、そして警察の腐敗が生々しく描かれる。
いまのところ、現実にしっかりと足を着けたフィリピン作品を鑑賞できる機会はあまり多くないので、好奇心を満足させるには充分過ぎるほど。
閉塞した物語だが、そこに生きる者たちがたゆまず前進し続けるさまが力強く、救いとしても作用していた。
ふと思い出したかのように音楽が挿入され、叙情的な感覚が呼び覚まされる場面もある。
(恐らく)監督のセクシュアリティゆえ、ゲイにまつわるデティールも数多く挿入されていた。