LalaーMukuーMerry

ローサは密告されたのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ローサは密告された(2016年製作の映画)
4.2
フィリピンではドゥテルテが大統領になって(2016)、麻薬の取り締まりが強化されたのだが、特に大がかりな組織の摘発では、単に「強化された」の一言では全く伝わらない部分がある。本作は末端で麻薬に手を染めている普通の人たちの中で起きていたことをドキュメンタリー風に伝える作品。
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・おとり捜査で捕まえる
・一般の事務所に見せかけた警察の秘密の取調室での取調べ
・携帯やお金を巻き上げ、押収した金を自分たちでピンハネした上に
・足元をみて保釈金を要求、払えない分は売人仲間の名を売れと脅迫
・仕方なく、売人仲間の名前を言う
・おとり電話を掛けさせる
・・・
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そもそも、麻薬に手を出し小遣い稼ぎをしていたローサ一家が悪いということなのだけど、それよりも権力を傘に警察のやっていることの悪どさにムカつく。
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でも、主題はそういうことではなさそう。
母親の保釈金の不足分を伝えられ、それを懸命に集めようと頑張る三人の子供達(二人の息子と一人の娘、ハイティーンから20才過ぎくらい)。貧しい一家にとって、保釈金の額は大変だ。三人それぞれのお金の稼ぎ方、親戚に頭を下げる、ものを売る、体を売る・・・。けなげな子供たち。
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ラスト、釈放されたローサが街で目にして、涙があふれたもの
それはおそらく、家族の繋がりの確かさだったのでしょう