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ローサは密告されたのこやちのレビュー・感想・評価

ローサは密告された(2016年製作の映画)
3.8
フィリピンでの麻薬の蔓延と警察の腐敗。
そんなスラム街で暮らす家族の日常もドキュメンタリータッチで描き出されている。
逮捕された両親の保釈金の為に奔走する子供達。荒んでいるように見えて家族の繋がりは強い。弟は体を売っていたが兄はテレビを売っていた。兄ちゃん!娘は折れぬ腰を折って頭を下げ、路地で滑って転んでも黙って立ち上がる。従兄弟の兄ちゃんが優しい。

フィリピンのドゥテルテ大統領は就任以来麻薬取引に関わった人間を超法規的に殺害する事も許可する「麻薬撲滅戦争」を推進してきた。取締りによる死者数はすでに数千人を超えているという。しかし取り締まる側の警察組織の腐敗が問題とされ、取締りの一時中止を余儀なくされたという。麻薬組織との癒着、賄賂、そしてそれらを揉み消すための殺人等の横行。
今作は大統領就任以前からの構想らしいが、その背景は同じなのだろう。

メキシコもヤバいと思ったけど、フィリピンもヤバ過ぎる。怖すぎてとっても行けないわ。何かの間違いで警察のお世話になる羽目になったらまずは袖の下って事なのでしょうか。_φ(・_・
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