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ローサは密告されたのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ローサは密告された(2016年製作の映画)
3.0
[どの瞬間を切り取っても『評決』にしか見えない] 60点

初メンドーサ。知り合いに"メンドーサはこれだけ観とけば十分"と言われた(が、結局カンヌ関連で最低でもあと二つは観なきゃいけない)のをよく覚えている。最近はフィリピン映画をよく観ている気もするが、ラヴ・ディアスを含めてそのどれもが同じような題材を扱っていることを考えると、フィリピンの困難さも相当であることが分かる。本作品において、麻薬密売人と悪徳警官というドゥテルテ政権下で即刻殺される人々のアンサンブルは、"緊迫のリアルタイムドラマ"として描かれる。警察署で悪徳刑事たちと夫婦が繰り広げる攻防戦は"リアルですね"という感じなのだが、金を工面するために散り散りになった子供たちを描く後半は無情すぎて良い。特に娘が転ぶところとか。疲れ切ったローサが無言で団子を食う長回しも最高。

どの瞬間を切り取っても『評決』を思い出してしまうので、観る順番って大切だなと思った次第。多分手法としてはこっちがパクられてる方。
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