ウォーリー

ラビング 愛という名前のふたりのウォーリーのレビュー・感想・評価

3.9
どこかのレビューで読んだのだけれど、本作でジェフ・ニコルズ監督は意図的に観客が共感するカタルシスを排除しているので、ストーリーだけをなぞると特に驚くようなことは何も起こらない。
裁判での劇的な判決も、隣人からの執拗な嫌がらせも殆ど描写されない。

観賞後は「随分あっさりとしているなぁ」と感じたが、考えてみると実世界の自分の暮らしも大半は何も起こらず、毎日がただ過ぎ去っていくだけである。だからと言って、それが退屈だとは思わない。

過剰なドラマがなくても、生きることの、人を愛することの素晴らしさを静かに教えてくれる佳作。
ウォーリー

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