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ラビング 愛という名前のふたりのkazのレビュー・感想・評価

3.6
完全ノーマークだった今作。
たまたま近所のTSUTAYAに行った際、前面にプッシュされていて借りてみました。

個人的に嫌いじゃない、実話に基づいたヒューマンドラマ。

舞台は1958年バージニア州。
異人種間での結婚が法律で禁止されていた時代。
白人男性のリチャードと黒人女性のミルドレッドは結婚が許されていたワシントンDCで結婚する。しかし地元に戻った後、逮捕されてしまい、離婚するか故郷を捨てるか、究極の選択を迫られる…という話。

2人の苦難の時代を描いた作品なんですけど、重厚なドラマというよりかは、かなりアッサリとした印象。端的に言うと地味。
特に肝となる裁判のくだりはアッサリし過ぎていて、ズコーってなりました。

でも今作はドラマティックな展開を期待する映画ではないんですよね。
観終わって気づきましたが、この映画は裁判云々よりも2人の淡々とした生活が(おそらく意図的に)主に描かれています。

地味に感じた要因である旦那のリチャードは寡黙で、ぶっきらぼうで無愛想。そのキャラが最初は受け入れ難く、煮え切らない気持ちになってしまいました。
しかしそんな彼は行く先々で左官職人としてレンガを積み上げるのです。
とにかく幾度となくレンガを積み上げるシーンが繰り返されます。
これは日々の積み重ねであったり、愛の育みが暗喩的に表現されているに違いないと思ったのです。そう思うと自分の中で合点がいき、良い作品であると思えました。

また失礼ながら出演者が全く知らない人だらけだったので、逆にストーリーに集中できたのも良かったかもしれません。
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